容量削減機能の特長と利点
容量削減機能は、ストレージシステムのコントローラによって格納データの圧縮および重複排除を実行する機能です。データ容量の削減によって、搭載しているドライブの容量以上のデータが格納できるようになります。容量削減機能によってプールの空き領域を増やすことができるため、ユーザは製品ライフサイクルにおけるドライブ購入コストを減らすことができます。また、容量削減機能はすべてのドライブ種別のドライブで使用でき、暗号化機能とも併用できます。
容量削減処理には、データの書き込みと非同期で処理する方式と、データの書き込みと同期して処理する方式があります。データの書き込みと非同期で処理する方式を、ポストプロセスと呼びます。また、データの書き込みと同期して処理する方式を、インラインと呼びます。容量削減機能を実行する場合、ポストプロセスモードまたはインラインモードを設定します。初期データ、新規書き込みデータ、および更新書き込みデータに対する、容量削減処理の実行方式(非同期または同期)を次に示します。
ポストプロセスモードとインラインモードの違いは、新規書き込みデータに対する容量削減処理の実行タイミングです。ポストプロセスモードの場合、新規データの書き込みと非同期で容量削減の処理が実行されます。インラインモードの場合、新規データの書き込みと同期して容量削減の処理が実行されます。
|
容量削減機能の実行モード |
初期データ※1の容量削減処理の方式 |
新規書き込みデータ |
更新書き込みデータ |
||
|---|---|---|---|---|---|
|
圧縮処理の方式 |
重複排除処理の方式 |
圧縮処理の方式 |
重複排除処理の方式 |
||
|
ポストプロセスモード |
非同期 |
非同期 |
非同期 |
同期※3 |
非同期 |
|
インラインモード |
非同期 |
同期 |
同期※2 |
同期※3 |
非同期 |
注※1
容量削減機能を設定したときに、仮想ボリュームにすでに書き込まれているデータです。初期データに対して、容量削減処理(初期容量削減処理)が実行されます。
注※2
Transfer Lengthが256KB以上のデータに適用されます。Transfer Lengthが256KB未満のデータの重複排除処理は、非同期で実行されます。
注※3
圧縮済みデータに対して更新書き込みが実行された場合、書き込みデータの圧縮処理の方式を示しています。初期容量削減処理を実行する前の非圧縮データに対して更新書き込みが発生した場合、書き込まれたデータの圧縮処理は非同期で実行されます。
すでに格納されているデータに対する容量削減の実行
ストレージシステムに容量削減機能を適用すると、データが格納されているページに対して、非同期で圧縮および重複排除処理が実行されます。容量削減機能の適用によるユーザデータの削減効果について、次の図に示します。

新規書き込みデータに対する容量削減の実行
新規に書き込まれるデータに対して容量削減する場合、ポストプロセスモード、またはインラインモードが選択できます。
ポストプロセスモード
仮想ボリュームにポストプロセスモードの容量削減機能を適用すると、新規書き込みデータに対する圧縮および重複排除は、非同期で実行されます。このモードの場合、データの書き込み時に重複排除処理が行われません。そのため、重複排除処理の負荷によるI/O性能への影響を少なくできます。
インラインモード
仮想ボリュームにインラインモードの容量削減機能を適用すると、新規書き込みデータに対する圧縮および重複排除は、同期して実行されます。そのため、ポストプロセスモードに比べてI/O性能への影響が大きくなりますが、圧縮および重複排除に必要なプール容量を最小限に抑えることができます。インラインモードは、データマイグレーションの移行先ボリュームや、コピーペア作成時のセカンダリボリュームなど、シーケンシャルI/Oで新規データが書き込まれるケースでの適用を推奨します。なお、データ移行後やコピーペア作成後は、I/O性能への影響を抑えるためポストプロセスモードへの切り替えを推奨します。

上記の例は、データマイグレーションを実行したときのプール使用量の推移について、ポストプロセスモードを適用した場合のプールの使用量と、インラインモードを適用した場合のプールの使用量を示しています。なお、初期容量削減処理の性能(GB/h)よりも、新規データの書き込み速度(GB/h)が速い場合を想定しています。 インラインモードの場合、データの書き込みに同期して容量削減処理が実行されます。ポストプロセスモードの場合、データの書き込みとは非同期に容量削減処理が実行されます。このため、ポストプロセスモードの場合、一時領域分のプール容量が必要です。ただし、新規データの書き込み速度や更新データの有無などによって、一時領域として必要な容量は変化します。
ポストプロセスモードまたはインラインモードの設定は、RAID Managerで実行します。コマンドのオプションについては、『RAID Managerコマンドリファレンス』のraidcom add ldevまたはradcom modify ldevコマンドの-capacity_saving_modeオプションを参照してください。