過度に空気の動きがあるエリアおよびホット・スポットのエリアを除去するために、空気分散の方式に注意を払う必要があります。
システムのタイプに関わらず、要員に対して一定量の新鮮な空気が循環するようにします。これにより、ほこりの侵入を排除し、潜熱負荷を低減するのに役立ち、システムが顕熱で稼働するのを可能にします。 空気分散および CRAC (コンピューター室の空調: computer room air conditioning) の各種方式は、次の図に示されています。
一般に、設計上の供給と戻りの空気温度が、CRAC 装置の製造元が定める仕様の範囲内に収まるようにしてください。
床下の空気分散
床下の空気分散では、正規の建物の床と上げ床の間にできた空間を機器冷却用の空気を供給する手段として使用します (次の図を参照)。コンクリート製のサブフロアには、ほこりの飛散を防ぐための処理が必要となる場合があります。空気は、孔空きのフロア・レジスターから室内に放出されます。この空気は直接空調システムに、または天井のリターン・システムにより戻されます。廃止された配線を (United States National Electrical Code で必要とされているように) 取り除き、機器の吸気口へ冷気を供給する目的で特に設けられたものでない上げ床のすべての開口部をふさいでください。
床下の空気分散では、リターン空気の温度が部屋全体の設計条件に影響を与えずに済むため、より高いリターン空気温度を許容できます。 床下の設計では、金属製上げ床の熱伝導要因を考慮に入れ、また湿気が部屋に侵入する前に相対湿度を制御するために若干の再加熱された空気を供給できるようにもしておきます。
温度制御システムは、単一のダクト・システムで記述されているのと同じ制御装置で構成されています。さらに、このシステムは、床下の気温が露点下になるのを防ぐために気温用の制御装置を床下の供給システムに組み込む必要があります。ケーブル穴からサーバーに入る空気の量は、作動限界内でなければなりません (サーバーの作動限界を参照)。
オーバーヘッド方式と床下空調システムの組み合わせ
オーバーヘッド方式と床下空気循環を組み合わせた設計の場合、プライマリーの空調装置は室内にあり、セカンダリーの空調装置は室外にあります。次の図を参照してください。
別個の制御装置が付いたエア・ハンドラーにより、調整および濾過された空気が上げ床下の領域に供給されます。 空気は、フロア・パネルまたはフロア・レジスターから室内に放出されます。この空気によって 、サーバーが発する熱およびサーバーの上部または背面から室内に放出される熱が吸収されます。IT 機器に供給される空気の相対湿度は、80% 未満でなくてはならず、またサーバー上またはサーバー内での結露を防止するために温度を制御する必要があります。相対湿度を制御するために、冷却装置と共に稼働する 再加熱システムを備えることが必要になる場合があります。
2 番目のエアー・ハンドリング・システムにより、空気が別個の供給システムを通って室内に直接供給されますが、このシステムにはコンピューター室内に残った熱負荷を吸収するのに十分な容量が必要です。 これにより、室温および相対湿度が指定されたとおりに維持され、継続的な空調と換気が可能になります。
オーバーヘッドの空気循環
オーバーヘッドの空気循環では、その部屋またはエリア全体の熱負荷 (IT 機器から発生する熱など) は、ディフューザー・システムまたは天井の加圧式供給システムがコンピューター室およびエリアに供給する空気によって吸収されます。
空調システムにリターンされる空気は、熱の発生源となっているサーバー上の天井のリターン・レジスターから、あるいは室内の天井および壁の両方にあるリターン・レジスターの固定パターンのどちらかから出てきます。 次の図は、オーバーヘッドの空気循環システムを示しています。
このような配置の冷却能力を最大にするには、放熱された空気の供給を冷気通路の位置に合わせ、熱気の戻りを熱気通路に合わせる必要があります。 放熱された空気の供給は、空気を直接下の冷気通路へ押し下げるものでなければならず、空気を横方向に拡散するディフューザーを使用してはなりません。 そのような拡散は、冷気が機器からの熱を吸収する機会を得られないうちに戻りの空気の経路へ移動する原因となり、望ましくありません。
温度制御システムは、温度および湿度制御装置で構成されています。これらの制御装置は、マシン・ルームの担当者に近い場所に配置してください。温度および湿度記録装置 (温度および湿度に関する設計基準 のトピックで説明) をこれら制御装置の隣りに配置して、状態をモニターします。
空気の濾過
コンピューター室に供給されるすべての空気を濾過するためにも、高性能のフィルターを取り付けます。機械式および電気式の空気清浄器はそれぞれ異なる原理で作動し、タイプごとに異なる定格が指定されています。 定格は、ASHRAE (全米暖房冷凍空調技術者協会: American Society of Heating, Refrigeration and Air Conditioning Engineers) 規格 No. 52 から 76 (または連邦規制と同等) に概説されているテスト方式 を使用して決められます。施設が腐食性のガス、潮風、または異常に多くの ちりやほこりにさらされる場所では、特殊な空気清浄器が必要です。
機械式のエア・フィルターは、少なくとも初期の粉じん捕集率は定格で 40% 以上でなければなりません。
静電式のエア・フィルターは、所定の前面風速で 85 から 90% の捕集率で作動するように設計されています。 このフィルターは、バイパスまたは、特定のサーバーでは弊害を引き起こす可能性があるオゾン蓄積を防ぐために、製造元の推奨事項に従って操作する必要があります。
空気の品質
通常のオフィスや清潔な工場にサーバーを設置する場合は、空気の品質について心配する必要はないでしょう。 しかし、設置場所が異常にほこりの多い、または化学臭がする場合、心配が伴います。ほこりや腐食性のガスは、腐食や機器損傷の原因になる可能性があります。
工業処理に関連した高濃度の二酸化硫黄、二酸化窒素、オゾン、および酸性ガス、塩素は電子部品の腐食および障害の原因となることが知られています。腐食性のガスの存在が疑われる理由がある (例えば、臭いがするなど) 場合は、どのような汚染物質が空気中に存在するのか、およびそれがご使用のシステムに有害となるほどの高濃度であるのかを判別してください。 ガス以外に、一部の工業処理によって、粒子状汚染物が発生します。 これらの粒子は、この粒子を発生させている処理施設がある程度の距離をおいて離れていても、ダストの形状で周辺地域に沈着します。
空気中のガスおよび粒子の検査には、専用の装置と手順が必要です。 購入先では、ガイダンスを提供しています。