マルチパス I/O (MPIO) は、仮想 SCSI リソースに対する冗長パスを提供することにより、仮想 SCSI リソースの可用性を強化するのに役立ちます。このトピックでは、マルチパス I/O を AIX® クライアント論理区画用にセットアップする方法について説明します。
MPIO を AIX クライアント論理区画に提供するためには、2 つのバーチャル I/O サーバー論理区画をシステム上に構成する必要があります。この手順は、この構成に含まれる 2 つのバーチャル I/O サーバー論理区画に対して、すでにディスクが割り当て済みであることを前提にしています。
MPIO を構成するには、以下のステップに従います。このシナリオでは、最初の
バーチャル I/O サーバー論理区画にある hdisk5 と 2 番目の
バーチャル I/O サーバー論理区画にある hdisk7 が、この構成で使用されることになります。
次の図は、このシナリオの間に完了される構成を示しています。
上の図をガイドとして使用し、以下のステップを実行します。
- HMC を使用して、これら 2 つのバーチャル I/O サーバー論理区画上に SCSI サーバー・アダプターを作成します。
- HMC を使用して、2 つの仮想クライアント SCSI アダプターをクライアント論理区画上に、それぞれバーチャル I/O サーバー論理区画のいずれかにマッピングされるようにして、作成します。
- バーチャル I/O サーバー論理区画のいずれかで lsdev -type
disk と入力して、どのディスクが使用可能か判別します。結果は次のようになります。
name status description
hdisk3 Available MPIO Other FC SCSI Disk Drive
hdisk4 Available MPIO Other FC SCSI Disk Drive
hdisk5 Available MPIO Other FC SCSI Disk Drive
どのディスクを MPIO 構成に使用するか、選択します。
このシナリオでは、hdisk5 を選択します。
- 選択したディスクの PVID を、lspv コマンドを使用して判別します。
このシナリオでは、lspv hdisk5 と入力します。結果は次のようになります。
hdisk5 00c3e35ca560f919 None
2 番目の値が PVID です。このシナリオでは、PVID は 00c3e35ca560f919 です。
この値をメモします。
- ディスクの属性を、lsdev コマンドを使用してリストします。
このシナリオでは、lsdev -dev hdisk5 -attr と入力します。結果は次のようになります。
..
algorithm fail_over Algorithm True
..
lun_id 0x5463000000000000 Logical Unit Number ID False
..
..
pvid 00c3e35ca560f9190000000000000000 Physical volume identifier False
..
reserve_policy single_path Reserve Policy True
lun_id and reserve_policy の値をメモします。reserve_policy 属性が no_reserve 以外に設定されている場合は、変更する必要があります。chdev -dev hdiskx -attr reserve_policy=no_reserve と入力することにより、reserve_policy を no_reserve に設定してください。
- 2 番目のバーチャル I/O サーバー論理区画で、lspv と入力することにより、物理ボリュームをリストします。出力で、前もって確認していたディスクを同じ PVID を持つディスクを見付けます。
このシナリオでは、hdisk7 の PVID と一致するのは以下の通りです。
hdisk7 00c3e35ca560f919 None
ヒント: PVID 値は同一でも、2 つの
バーチャル I/O サーバー論理区画のディスク番号は異なる場合があります。
- reserve_policy 属性が no_reserve に設定されているか、lsdev コマンドを使用して判別します。このシナリオでは、lsdev -dev
hdisk7 -attr と入力します。以下のような結果が表示されます。
algorithm fail_over Algorithm True
..
lun_id 0x5463000000000000 Logical Unit Number ID False
..
pvid 00c3e35ca560f9190000000000000000 Physical volume identifier False
..
reserve_policy single_path Reserve Policy
reserve_policy 属性が no_reserve 以外に設定されている場合は、変更する必要があります。chdev -dev hdiskx -attr reserve_policy=no_reserve と入力することにより、reserve_policy を no_reserve に設定してください。
- 2 つのバーチャル I/O サーバー論理区画で、mkvdev を使用して仮想デバイスを作成します。それぞれの場合に該当する hdisk 値を使用します。このシナリオでは、以下のコマンドを入力します。
- 最初のバーチャル I/O サーバー論理区画では、mkvdev -vdev hdisk5 -vadapter vhost5 -dev vhdisk5 と入力します。
- 2 番目のバーチャル I/O サーバー論理区画では、mkvdev -vdev hdisk7 -vadapter vhost7 -dev vhdisk7 と入力します。
これで同一の LUN が、2 つのバーチャル I/O サーバー論理区画からクライアントの論理区画にエクスポートされました。
- これで AIX をクライアント論理区画にインストールすることができます。AIX のインストールについての説明は、区画環境での AIX のインストールを参照してください。
- AIX をクライアント論理区画上にインストールした後、以下のことを行って MPIO をチェックします。
- lsdev -Cc disk
以下のような結果が表示されます。
hdisk0 Available Virtual SCSI Disk Drive
- lspv
以下のような結果が表示されます。
hdisk0 00c3e35ca560f919 rootvg active
- lspath
以下のような結果が表示されます。
Enabled hdisk0 vscsi0
Enabled hdisk0 vscsi1
バーチャル I/O サーバー論理区画のいずれかで障害が起こった場合、lspath コマンドの結果は次のようになります。Failed hdisk0 vscsi0
Enabled hdisk0 vscsi1
hcheck_mode 属性および hcheck_interval 属性が設定されないかぎり、ディスクがリカバリーした後でも状態は Failed と表示されたままになります。状態が自動的に更新されるようにするには、chdev
-l hdiskx -a hcheck_interval=60 -P と入力します。この変更を有効にするには、クライアント論理区画をリブートする必要があります。