仮想 SCSI のサイジングの考慮事項

仮想 SCSI をインプリメントする際に、プロセッサーおよびメモリーのサイジングについて考慮すべき事項を説明します。

仮想 SCSI のアプリケーション環境を設計し、インプリメントする際には、以下のサイジングに関する問題を考慮してください。

クライアント上でバーチャル I/O を使用する場合のプロセッサーへの影響については、あまり問題はありません。仮想 SCSI I/O 操作を行うためにクライアント上で実行されるプロセッサー・サイクルは、ローカル接続の入出力デバイスのそれに匹敵します。したがって、既知のタスクについてクライアント区画でのサイジングの増減はありません。これらのサイジング技法は、共用イーサネットの機能を仮想 SCSI サーバーと結合することを予期していません。 この 2 つを結合した場合は、仮想 SCSI との共用のイーサネット活動を勘定に入れて、資源の追加を考慮してください。

専用プロセッサー区画を使用する仮想 SCSI のサイジング

仮想 SCSI サーバーに必要とされるプロセッサー・ライセンスの量は、それに必要とされる最大 I/O 速度に基づいています。仮想 SCSI サーバーは、通常は、いつでも最大 I/O 速度で稼働しているわけではないので、余分なプロセッサー時間を使用すると、専用プロセッサー区画を使用する際に無駄が生じるおそれがあります。以下のサイジング方法では最初に、仮想 SCSI サーバーに必要とされる I/O 速度および I/O サイズをよく理解する必要があります。次に、I/O 構成に基づき仮想 SCSI サーバーをサイジングします。

使用されるサイジング方法は、仮想 SCSI サーバー上で I/O 操作を実行するのに必要とされるプロセッサー時間は所定の I/O サイズについてかなり一定しているという観察に基づいています。異なるデバイス・ドライバーは微妙に異なる効率を持つので、このように記述するのは単純化することになります。ただし、ほとんどの環境の下で、仮想 SCSI サーバーによってサポートされる入出力デバイスは極めて よく似ています。次の表は、1.65 Ghz プロセッサー上での物理ディスクおよび論理ボリュームの両方の操作について概算サイクル/秒を示しています。これらの数は物理プロセッサーで 測定されます。同時マルチスレッド化 (SMT) 操作が想定されています。他の周波数では、周波数の比率によるスケーリング (例えば、1.5 Ghz = 1.65 Ghz / 1.5 Ghz × サイクル/操作) は、妥当なサイジングを生成するのに十分なだけ正確と言えます。

表 1. 1.65 Ghz 区画での概算サイクル/秒
ディスク・タイプ 4 KB 8 KB 32 KB 64 KB 128 KB
物理ディスク 45,000 47,000 58,000 81,000 120,000
論理ボリューム 49,000 51,000 59,000 74,000 105,000

物理ディスクでバッキングされたストレージ上で 3 つのクライアント区画を使用するバーチャル I/O サーバーを想定してみます。最初のクライアント区画は、最大 7,000 の 8-KB 操作/秒を必要とします。2 番目のクライアント区画は、 最大 10,000 の 8-KB 操作/秒を必要とします。3 番目のクライアント区画は、最大 5,000 の 128-KB 操作/秒を必要とします。この予見での 1.65 Ghz プロセッサーの数は、約 (7,000 × 47,000 + 10,000 × 47,000 + 5,000 × 120,000) / 1,650,000,000) = 0.85 プロセッサーになります。専用プロセッサー区画が使用されている場合、これはシングル・プロセッサーに切り上げられます。

クライアント区画の I/O 速度が分からない場合は、バーチャル I/O サーバーのサイズを、接続されているストレージ・サブシステムの最大 I/O 速度にすることができます。サイジングは、小さい入出力操作数または大きな入出力操作数へと 偏る場合があります。大きな入出力操作についてサイズを最大能力に見積もると、バーチャル I/O サーバーのプロセッサー・キャパシティーは、接続された I/O の潜在的な I/O 処理能力にバランスを取ります。このサイジング方法のマイナス面は、 ほとんどどのケースでも、一般に費やされるより多くのプロセッサー・ライセンスがバーチャル I/O サーバーに割り当てられることです。

バーチャル I/O サーバーが 32 の物理 SCSI ディスクを管理するケースを考えてみます。必要とされるプロセッサーの上限は、ディスクが獲得できる I/O 速度についての前提事項に基づいて設定できます。ランダムである 8096 バイトの操作によってワークロードが左右されることが分かっている場合は、各ディスクが毎秒約 200 ディスク入出力操作の能力を持つ (15k rpm のドライブ) と想定します。 ピーク では、バーチャル I/O サーバーは約 32 ディスク × 200 入出力操作/秒 × 120,000 サイクル/操作でサービスを提供する必要があります。その結果、約 0.19 プロセッサーのパフォーマンスが 必要になります。別の見方をすると、単一のプロセッサー上で稼働するバーチャル I/O サーバーは、8096 バイトのランダム入出力操作を行う 150 を超えるディスクをサポートできなければなりません。

あるいは、バーチャル I/O サーバーが最大処理能力用のサイズになっている場合、計算結果ではプロセッサー所要量が高くなります。その相違は、最大処理能力が順次入出力を想定していることです。ディスクは、大きな順次入出力を行っている方が小さなランダム入出力操作を行うよりもはるかに効率がよいので、1 秒間に実行できる入出力操作の数が非常に大きくなります。 ディスクは 128 kb の入出力操作を行っているときに 50 MB/秒が可能であると想定します。その状態は、各ディスクが平均 390 ディスク入出力操作/秒を実行できることを意味します。したがって、32 ディスクをサポートするのに必要な処理能力の量は、 各ディスクが 390 回の入出力操作/秒を、120,000 サイクルの運用コストで行うとして (32 × 390 × 120,000 / 1,650,000,000)、結果は約 0.91 プロセッサーになります。したがって、シングル・プロセッサー上で稼働するバーチャル I/O サーバーは、 約 32 の高速ディスクを最大スループットで駆動できなければなりません。

共用プロセッサー区画を使用する仮想 SCSI のサイジング

仮想 SCSI サーバーを共用プロセッサー区画で定義すると、より個別性のあるプロセッサー・リソース・サイジングを行うことができ、上限なし区画によって未使用のプロセッサー時間を潜在的にリカバリーできるようになります。ただし、仮想 SCSI サーバーに 共用プロセッサー区画を使用すると、しばしば I/O 応答時間を増大させ、いくらか複雑なプロセッサー・ライセンス・サイジングを生じさせることがあります。

共用プロセッサー区画を実行するためのライセンスを追加した上で、専用区画 I/O サーバーについて同一の運用コストに基づくサイジング方式を決める必要があります。 バーチャル I/O サーバーは、上限なしとして構成してください。そのようにすると、バーチャル I/O サーバーのサイズが小さい場合に、入出力操作を行うためにさらに多くのプロセッサー時間を得ることができます。

仮想 SCSI を使用する場合の I/O 待ち時間は、いくつかの条件によって異なる場合があるので、区画が多くの I/O 所要量を持つ場合には、以下を考慮します。

仮想 SCSI サーバーのメモリー・サイジング

仮想 SCSI のメモリー・サイジングは、仮想 SCSI サーバーのメモリー内にファイル・データのキャッシングがないので、単純化されています。 データ・キャッシングがないので、仮想 SCSI サーバーのメモリー所要量は かなり控えめになります。大きな I/O 構成と非常に高いデータ速度を持つので、仮想 SCSI サーバーには 1 GB のメモリー割り当てで十分なように思われます。接続されているディスクの数が少ない、 低い I/O 速度の状態では、512 MB もあれば十分だと思われます。


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