ポリシー・ファイルの構成

このトピックでは、ポリシー・ファイルを構成する方法を説明します。

ポリシー・ファイルの概念

システムは、 ポリシー・ファイルを使用して、Partition Load Manager サーバーによって管理される可能性のあるプロセッサーおよびメモリー・リソースを判別します。 ポリシーには、リソース共用、グループ定義、および Tunable パラメーターも含まれます。 このファイルは、管理される区画、それぞれの保証されるライセンス、最小および最大ライセンス数を定義します。

ポリシー・ファイルはスタンザに分割され、各スタンザには type フィールドがあります。 各スタンザは、以下のフォーマットに従っています。
<stanza_label>:
              attribute=<value>
              attribute2=<value>
              type=<value>

ポリシー・ファイルには、以下の規則があります。

スタンザおよび属性の使用可能なタイプは、以下のとおりです。

globals スタンザ:
このスタンザは、Partition Load Manager サーバーのグローバル環境属性を指定します。 1 つの Partition Load Manager ポリシーに指定できる globals スタンザは 1 つだけです。

以下の属性は、globals スタンザでは必須です。

属性 説明
hmc_host_name 管理対象区画が含まれているサーバーを管理するハードウェア管理コンソール (HMC) のホスト名。
注: これは、ssh 鍵の交換時に HMC に使用されたホスト名です。
hmc_cec_name 管理対象区画が含まれているサーバーの HMC 管理対象システム名。
hmc_user_name Partition Load Manager が OpenSSH コマンドを HMC に送信するのに使用するユーザー名。

以下の属性は、globals スタンザではオプションです。

属性 最小値 最大値 デフォルト値 説明
hmc_command_wait 1 分 60 分 5 分 HMC コマンドをタイムアウトにするまでに Partition Load Manager が待つ分数。これは DR Phase Timeout で、3 つのフェーズのうちの 1 つです。
tunables スタンザ:
このオプションのスタンザは、管理対象区画の tunable 属性を指定するのに使用されます。tunables スタンザには必須属性はありません。Partition Load Manager は、これらの属性にデフォルト値を選択しており、それらはほとんどのインストールに適切です。 ただし、特別な要件のあるインストールは、このスタンザに属性を指定することによってインストールをカスタマイズできます。tunables スタンザの属性は、group および partition スタンザにも指定できます。区画の tunable 属性は、以下の順序で取得されます。
  1. partition スタンザから。
  2. partition スタンザに tunable 属性が指定されていない場合に区画が含まれている group スタンザから。
  3. partition または group スタンザに tunable 属性が指定されていない場合は tunable スタンザから。
  4. partition、group、または tunables スタンザに tunable 属性が指定されていない場合はデフォルト値が使用されます。

以下のプロセッサー関連属性のいずれかを指定します。

属性 最小値 最大値 デフォルト値 説明
cpu_intervals 1 100 6 Partition Load Manager が活動化するまでに CPU 関連サンプルがしきい値を超えなければならない 10 秒サンプル期間の数。 この値を大きい値に設定するほど、Partition Load Manager のシステム変更に対するリアクションが遅くなります。この値を小さくすると、Partition Load Manager はより迅速に活動化します。
cpu_load_low 0.10 1.00 0.5 CPU ロード平均低しきい値。ロード平均がこの値より小さい区画は、不要な CPU 容量があると見なされます。
注: cpu_load_lowcpu_load_high との最小差分は 0.10 です。
cpu_load_high 0.2 10.0 1.0 CPU ロード平均高しきい値。ロード平均がこの値より大きい区画は、さらに多くの CPU 容量を必要としていると見なされます。
注: cpu_load_lowcpu_load_high との最小差分は 0.10 です。
cpu_free_unused     いいえ 区画で必要でない CPU 容量がその区画から除去されるかどうかを指定します。「no」という値は、不要な CPU 容量は、別の区画でそれが必要になるまでその区画に残ることを示します。「yes」という値は、不要な CPU 容量が、区画でそれを必要としなくなった時点でその区画から除去されることを示します。
以下の共用プロセッサー関連属性のいずれかを指定します。
属性 最小値 最大値 デフォルト値 説明
ec_delta 1 100 10 共用プロセッサー区画に追加またはそこから除去する、ライセンスのある CPU 容量。この値は、区画の追加または除去する現在のライセンスのある容量のパーセントを指定します。
ec_per_vp_min 0.1 0.9 0.5 仮想プロセッサーあたりのライセンスのある容量の最小量。 この属性は、そのライセンスのある容量に比べて多すぎる仮想プロセッサーを持つことによって区画のパフォーマンスが 低下しないようにします。ライセンスのある容量が区画から除去されるときに、各仮想プロセッサーの資格のある容量がこの数値を下回った場合は仮想プロセッサーも除去されます。
注: ec_per_vp_minec_per_vp_max との最小差分は 0.10 です。
ec_per_vp_max 0.2 1.0 0.8 仮想プロセッサーあたりのライセンスのある容量の最大量。 この属性は、上限なしの共有 CPU 区画によって使用される使用可能な容量を制御します。資格のある容量が区画に追加されるときに、各仮想プロセッサーの資格のある容量がこの数値を超えた場合は仮想プロセッサーも追加されます。上限なし区画内の仮想プロセッサーの数を増やすと、区画は、さらに多くの使用可能な CPU 容量を使用できるようになります。
注: ec_per_vp_minec_per_vp_max との最小差分は 0.10 です。

以下のメモリー関連属性のいずれかを指定します。

属性 最小値 最大値 デフォルト値 説明
mem_intervals 1 100 6 Partition Load Manager が活動化するまでにメモリー関連サンプルがしきい値を超えなければならない 10 秒サンプル期間の数。 この値を大きい値に設定するほど、Partition Load Manager のシステム変更に対するリアクションが遅くなります。この値を小さくすると、Partition Load Manager はより迅速に活動化します。
mem_util_low 1 90 50 メモリー使用率低しきい値。メモリー使用率がこの値より小さい区画は、不要なメモリーがあると見なされます。 単位はパーセントです。
注: mem_util_lowmem_util_high との最小差分は 10 です。
mem_util_high 1 100 90 メモリー使用率高しきい値。メモリー使用率がこの値より大きい区画は、さらに多くのメモリーが必要であると見なされます。 単位はパーセントです。
注: mem_util_lowmem_util_high との最小差分は 10 です。
mem_pgstl_high 0 2147483647 0 ページ・スチールしきい値。秒当たりのページ・スチールの数であるページ・スチール率がこの値より大きいか等しい区画は、さらにメモリーが必要であると見なされます。単位は、整数値です。このしきい値の検査結果は、メモリーが必要かどうかを判別する際の mem_util_high しきい値検査の結果と論理的に ANDed されます。
mem_free_unused     いいえ 区画で必要でないメモリーがその区画から除去される場合を示します。「no」という値は、不要なメモリーは、別の区画でそれが必要になるまでその区画に残ることを示します。「Yes」という値は、不要なメモリーが、区画でそれを必要としなくなった時点でその区画から除去されることを示します。
mem_delta 1 256 一度に 1 LMB が 1 つの区画から除去または区画に追加されることを指定します。 区画から除去または区画に追加されるメモリーの量。 単位はメガバイトです。この値がシステムの論理メモリー・ブロック (LMB) サイズより小さい場合、システムの LMB サイズに丸められます。 この値がシステムの論理メモリー・ブロック (LMB) サイズより大きいが、LMB の倍数でない場合、値は、最も近い LMB の倍数サイズに切り捨てられます。
group_name スタンザ:
このスタンザは、グループの名前とグローバル属性、および、任意またはすべての tunable スタンザを指定します。group スタンザ上の名前は、グループの名前を指定します。group スタンザは、独立して管理される区画のグループを複数作成できるようにします。少なくとも 1 つのグループを定義する必要があります。

以下の属性は、group スタンザでは必須です。

  • type = group
  • cpu_maximum
  • mem_maximum

cpu_maximum 属性は、グループ内の区画にプロセッサー管理が必要であるかどうか、さらに必要な場合の、区画に割り振られるプロセッサー・キャパシティーを指定します。プロセッサー管理が指定された場合、プロセッサー管理はグループ内のすべての区画について行われます。0 という cpu_maximum 値を指定すると、グループの区画についてプロセッサー管理が行われないことが指示されます。

グループ内のすべての区画が、同じプロセッサー・タイプを持っている必要があります。cpu_type 属性は、グループ内のすべての区画のプロセッサー・タイプを指定します。以下のように作成されます。
cpu_type = dedicated | shared

mem_maximum 属性は、グループ内の区画についてメモリー管理が必要であること、さらに必要な場合の、区画に割り振られるメモリーの量を指定します。メモリー管理が指定された場合、メモリー管理はグループ内のすべての区画について行われます。0 という mem_maximum 値を指定すると、グループ内の区画についてはメモリー管理を行わないことが指示されます。

サーバー内の物理リソースの量を上回る cpu_maximum および mem_maximum 値を指定できます。この状態では、管理対象区画のリソース要求を満たすために、すべての使用可能リソースが使用されます。

以下の属性は、このスタンザでは必須です。

属性 説明
type=group これを group スタンザとして識別する属性。 この属性は、type = group と指定する必要があります。
cpu_maximum グループ内の区画に割り振られる CPU の最大容量。単位は、物理 CPU 装置の数です。0 という値は、CPU がグループ内の区画について管理対象ではないことを示します。
mem_maximum グループ内の区画に割り振られるメモリーの最大量。単位はメガバイト (MB) です。0 という値は、メモリーがグループ内の区画について管理対象にならないことを示します。
cpu_type グループ内の区画のプロセッサー・タイプ。グループ内のすべての区画が同じタイプでなければなりません。属性値は、「dedicated」または「shared」のいずれかでなければなりません。
partition_name スタンザ:
このスタンザは、区画の名前とグローバル属性を指定します。partition スタンザは、すべての管理対象区画に必要です。

partition スタンザの名前は、管理対象区画のホスト名です。

以下の属性は、partition スタンザでは必須です。

  • type = partition
  • group = group_name
以下の属性は、partition スタンザではオプションです。
  • cpu_minimum
  • cpu_guaranteed
  • cpu_maximum
  • cpu_shares
  • mem_minimum
  • mem_guaranteed
  • mem_maximum
  • mem_shares

cpu_minimumcpu_guaranteed、 および cpu_maximum 属性値が指定されない場合、それぞれ CPU の最小、必要、および最大 HMC 区画定義値から取得されます。 同様に、mem_minimummem_guaranteed、 および mem_maximum 属性値は、最小、必要、および最大 HMC 区画メモリー定義値から取得されます。 shares 値のデフォルトは 1 です。

最小、保証、最大値をポリシーで指定する場合、値は、以下の関係を満足する必要があります。

minimum <= guaranteed <= maximum

グループ内の特定の区画について CPU またはメモリー・リソースの管理が必要でない場合、そのリソースの値をすべて同じ値に指定することができます。グループ内のすべての区画について CPU またはメモリー・リソースの管理が必要でない場合、グループ定義内の cpu_maximum または mem_maximum 属性は 0 に設定できます。

ポリシーに指定される CPU またはメモリー値はいずれも、区画の HMC 区画定義と互換性のあるものでなければなりません。Partition Load Manager を使用して、 区画の最小値を HMC の最小値より小さくすることはできません。 また、Partition Load Manager を使用して、 区画の最大値を HMC の最大値より大きくすることもできません。 システム管理者は、Partition Load Manager ポリシーと HMC 区画定義が互換であることを確認する責任があります。

cpu_shares および mem_shares 属性は、partition スタンザではオプションであり、デフォルト値が 1 に設定されています。

cpu_shares のデフォルト値では、グループ内のすべての区画について等しい共用を持ちます。上限のない、共用プロセッサー区画のデフォルトの cpu_shares 値は、区画の HMC 定義の可変重み属性からは取得されません。 cpu_shares 属性が指定されない場合、Partition Load Manager は、その区画の可変重み HMC 属性を設定しません。(HMC によって設定される可変重み値は、引き続き使用されます。) cpu_shares 属性が指定され、さらに区画が共用または上限なしの場合、Partition Load Manager は、その区画の可変重み HMC 属性を cpu_shares 値に設定します。

以下の調整可能な属性が partition スタンザで使用されます。

属性 最小値 最大値 デフォルト値 説明
type       これを partition スタンザとして識別する必須属性。 この属性は、type = partition と指定する必要があります。
group       この区画が含まれているグループを指定する必須属性。
cpu_minimum       区画に割り振られる CPU の最小容量。単位は、物理 CPU 装置の数です。
cpu_guaranteed       区画に割り振られる CPU の保証容量。単位は、物理 CPU 装置の数です。
cpu_maximum       区画に割り振られる CPU の最大容量。単位は、物理 CPU 装置の数です。
cpu_shares 0 255 1 cpu_guaranteed を超過する使用可能な CPU 容量をグループ内の区画に分配する方法を指定するのに使用される単位のない係数。 使用可能な超過 CPU 容量は、以下の公式を使用して区画に割り振られます。

(cpu_shares) / (グループ内の
アクティブ区画からの cpu_shares
の合計)

注: 0 という最小値を指定すると、区画は、その cpu_guaranteed の量の CPU 容量のみを受け取るように制限されます。
mem_minimum       区画に割り振られるメモリーの最小容量。単位はメガバイト (MB) です。
mem_guaranteed       区画に割り振られるメモリーの保証容量。単位はメガバイト (MB) です。
mem_maximum       区画に割り振られるメモリーの最大容量。単位はメガバイト (MB) です。
mem_shares 0 255 1 mem_guaranteed を超過する使用可能メモリーをグループ内の区画に分配する方法を指定するのに使用される単位のない係数。 使用可能な超過メモリーは、以下の公式を使用して区画に割り振られます。

(mem_shares) / (競合する区画からの
mem_shares の合計)

注: 0 という最小値を指定すると、区画は、その mem_guaranteed の量のメモリーのみを受け取るように制限されます。

ポリシー・ファイルの作成例と構成例

Web-based System Manager で、例に従って以下のステップを使用してポリシー・ファイルを作成します。

注: リモート X サーバーを使用している場合、DISPLAY 変数を設定し、wsm & コマンドを使用して Web-based System Manager クライアントを始動してください。
  1. ポリシー・ファイルを作成する。
  2. ポリシー・ファイル名 /etc/plm/policies/plm1 を追加する。
  3. 以下のフィールドにグローバル値を追加する。
    • ハードウェア管理コンソール (HMC) 名: p5hmc1
    • HMC ユーザー名: hscroot
    • Central Electronic Complex 名: eServer-9117-570-SNxxxxxxx
  4. 以下のコマンドを実行して、HMC から LPAR 名と他の設定値を入手する。
    • ssh hscroot@p5hmc1 lssyscfg -r lpar -m eServer-9117-570-SNxxxxxxx (LPAR 名およびデフォルト・プロファイル名)
    • ssh hscroot@p5hmc1 lshwres -r proc -m eServer-9117-570-SNxxxxxxx --level lpar (設定値)
    • ssh hscroot@p5hmc1 lshwres -r proc -m eServer-9117-570-SNxxxxxxx --level sys (システム・リソース)
    出力には以下の情報が含まれています。
    • name=lpar1, default_profile=default
    • curr_min_proc_units=0.5, curr_proc_units=0.75, curr_max_proc_units=1.25
    • name=lpar2, default_profile=default
    • curr_min_proc_units=0.5, curr_proc_units=0.75, curr_max_proc_units=1.25
  5. ポリシー・ファイルに以下のグループ情報を追加する。
    • グループ名: plm1
    • 最大 CPU: 1.75
    • 最大メモリー: N/A
    • CPU タイプ: 共用 (shared)
    • CPU 管理」を選択する。
    • メモリー管理」の選択を解除する。
  6. CPU リソース管理の区画に対して、以下の情報を追加する。
    • 区画名: lpar1.domain.com (これは LPAR1 の完全修飾ホスト名です。)
    • グループ名: plm1
    • リソース・エンタイトルメント (Resource Entitlements):
      • 最小 CPU: 0.5
      • 保証 CPU (Guaranteed CPU): 0.75
      • 最大 CPU: 1.25
      • CPU 可変共用: 1 (デフォルト)
    • 区画名: lpar2.domain.com
    • グループ名: plm1
    • リソース・エンタイトルメント (Resource Entitlements):
      • 最小 CPU: 0.5
      • 保証 CPU (Guaranteed CPU): 0.75
      • 最大 CPU: 1.25
      • CPU 可変共用: 1 (デフォルト)
    • 調整値 (Tunables):
      • CPU ロード平均高しきい値: 0.8
      • CPU ロード平均低しきい値: 0.2

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