i5/OS の使用許諾契約書に関する考慮事項

区画に分割されたサーバー上で i5/OS® を使用する場合、論理区画構成に必要なソフトウェア・ライセンス数を考慮してください。それぞれの論理区画に割り当てられたハードウェアには固有のソフトウェア・リソースが存在し、そこで作動します。これらのソフトウェア・リソースには、ライセンス内部コード、i5/OS、およびその他のライセンス・プログラム製品の個別のコピーが含まれます。 さらに、言語フィーチャー・コード、セキュリティー、ユーザー・データ、ほとんどのシステム値、ソフトウェア・リリースと修正 (プログラム一時修正 (PTF) とも呼ばれている) は、それぞれの論理区画ごとに固有です。

この項の残りでは、i5/OS オペレーティング・システムのライセンス交付について説明します。ご使用の管理対象システム上の他のライセンス・プログラムについてのライセンス交付要件を確認するには、それらのプログラムの資料を参照してください。

IBM System i5™ および eServer™ i5 サーバー上の i5/OS ライセンス交付の背景にある基本的な原理は、管理対象システムには i5/OS を実行する可能性のある物理プロセッサーごとに 1 つのライセンスが必要であるということです。i5/OS ライセンスは、管理対象システム全体として取得され、個々の論理区画ごとではありません。すなわち、管理対象システム上のプロセッサー数より多くの i5/OS ライセンスを取得する必要はありません。

区画に分割された管理対象システムに必要な i5/OS ライセンス数の算出を複雑にする主要な要因は、上限なし共用プロセッサーを使用する論理区画が、割り当てられた数に至るまで仮想プロセッサーを使用できるという事実です。i5/OS 論理区画に仮想プロセッサーを設定する方法によっては、シェアド・プロセッサー・プール内のすべてのプロセッサーに対するライセンスを取得することが必要になることもあります。管理対象システム上の i5/OS 論理区画が、シェアド・プロセッサー・プール内のごく一部のプロセッサーのみを割り当てられる場合であっても、こうすることが必要になることがあります。

管理対象システムに必要な i5/OS ライセンス数を判断するのに使用される方式は、以下のとおりです。

専用プロセッサーを使用する i5/OS 論理区画上の専用プロセッサー総数。
加算
共用プロセッサーを使用する i5/OS 論理区画上で使用可能な共用プロセッサーの最大数。この数は、以下の 2 つのうちの小さい方になります。
  • 上限なし共用プロセッサーを使用する i5/OS 論理区画上の仮想プロセッサーの総数に、上限付き共用プロセッサーを使用する i5/OS 論理区画上の上限付き共用プロセッサーの総数を加算した数 (次の整数値に切り上げ)。
  • シェアド・プロセッサー・プール内の仮想プロセッサーの総数。
算出結果
管理対象システムに必要な i5/OS ライセンスの総数。

管理対象システムを構成する場合、管理対象システムが i5/OS の使用許諾契約書に準拠していることを確認します。小さな構成変更であっても、管理対象システムが準拠しなくなる可能性があります。

例えば、Y 社は、4 つのプロセッサーおよび 4 つの論理区画を備えた管理対象システム用に 3 つの i5/OS ライセンスを保有しているとします。4 つの論理区画すべてでシェアド・プロセッサー・プールを使用するため、管理対象システム上の 4 つのすべてのプロセッサーはシェアド・プロセッサー・プール内にあります。これらの論理区画の構成は、次のとおりであるとします。

表 1. 使用許諾契約書準拠の論理区画構成
区画名 オペレーティング・システム 処理モード 共用モード 処理単位数 仮想プロセッサー 論理区画で使用可能なプロセッサーの最大数
区画 A i5/OS 共用 上限なし 1.75 2 2.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)
区画 B i5/OS 共用 上限付き 0.60 1 0.60 (上限付き共用論理区画用の処理単位数)
区画 C i5/OS 共用 上限付き 0.40 1 0.40 (上限付き共用論理区画用の処理単位数)
区画 D Linux® 共用 上限なし 1.25 2 2.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)

この構成では、管理対象システム上に 3 つの i5/OS 論理区画があります。この 3 つの i5/OS 論理区画は、最大 3.00 プロセッサーを使用できます (区画 A 用に 2.00、区画 B 用に 0.60、および区画 C 用に 0.40)。この管理対象システムは、3 つの i5/OS ライセンスを所有しているため、i5/OS 使用許諾契約書に準拠しています。

区画構成に小さな変更を行うことにより、i5/OS 使用許諾契約書への準拠違反を犯すことは容易です。例えば、Y 社のシステム管理者が、区画 B および区画 C の共用モードを上限付きから上限なしに変更するとします。次の表にこの新しい区画構成が示してあります。

表 2. 使用許諾契約書準拠違反の論理区画構成 (最初の例)
区画名 オペレーティング・システム 処理モード 共用モード 処理単位数 仮想プロセッサー 論理区画で使用可能なプロセッサーの最大数
区画 A i5/OS 共用 上限なし 1.75 2 2.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)
区画 B i5/OS 共用 上限なし 0.60 1 1.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)
区画 C i5/OS 共用 上限なし 0.40 1 1.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)
区画 D Linux 共用 上限なし 1.25 2 2.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)

この構成では、3 つの i5/OS 論理区画が最大 4.00 プロセッサーを使用できます (区画 A 用に 2.00、区画 B 用に 1.00、および区画 C 用に 1.00)。この管理対象システムは、3 つの i5/OS ライセンスしか所有していませんが、合計で 4 つの i5/OS ライセンスが必要です。したがって、i5/OS 使用許諾契約書に準拠違反しています。Y 社は、この管理対象システムに関して準拠違反メッセージを受け取ります。Y 社は、IBM® に連絡して、この管理対象システム用にさらに 1 つの i5/OS ライセンスを取得するか、あるいは、もう一度、プロセッサーの設定を再構成して、管理対象システムが 3 つの i5/OS ライセンスしか必要としなくなるようにします。

区画構成に小さな変更を行うことにより、i5/OS 使用許諾契約書への準拠違反を犯す可能性のある別の例として、Y 社のシステム管理者が、区画 B および区画 C の共用モードを上限付きに戻すとします。ただし、次に、システム管理者は区画 D から 区画 A に 0.50 処理単位を移動するとします。システム管理者は、これを行うために、区画 A 上の仮想プロセッサー数を 2 から 3 に増やす必要があります。次の表は、この新しい区画構成を示します。

表 3. 使用許諾契約書準拠違反の論理区画構成 (2 番目の例)
区画名 オペレーティング・システム 処理モード 共用モード 処理単位数 仮想プロセッサー 論理区画で使用可能なプロセッサーの最大数
区画 A i5/OS 共用 上限なし 2.25 3 3.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)
区画 B i5/OS 共用 上限付き 0.60 1 0.60 (上限付き共用論理区画用の処理単位数)
区画 C i5/OS 共用 上限付き 0.40 1 0.40 (上限付き共用論理区画用の処理単位数)
区画 D Linux 共用 上限なし 0.75 2 2.00 (上限なし共用論理区画用の仮想プロセッサー数)

この構成では、3 つの i5/OS 論理区画が最大 4.00 プロセッサーを使用できます (区画 A 用に 3.00、区画 B 用に 0.60、および区画 C 用に 0.40)。この管理対象システムは、3 つの i5/OS ライセンスしか所有していませんが、合計で 4 つの i5/OS ライセンスが必要です。したがって、i5/OS 使用許諾契約書に準拠違反しています。

IBM System p5™ および eServer p5 サーバー上の i5/OS 論理区画のライセンス交付は、IBM System i5 および eServer i5 サーバー上の場合よりも複雑です。 IBM System p5 および eServer p5 サーバー上で i5/OS をインストールして実行するには、特別なライセンスとフィーチャー・コードを取得する必要があります。IBM System p5 および eServer p5 サーバー上の i5/OS を使用するために取得すべきものについての詳細は、IBM System p5 および eServer p5 サーバー上の i5/OS の要件を参照してください。


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