iSCSI の構成例

以下の例は、iSCSI を使用するネットワークで SAN ボリューム・コントローラーを構成する代表的な方法を示しています。

図 1 は、単一のサブネットに接続された 4 ノードの SAN ボリューム・コントローラー・クラスターを示しています。各ノードには 2 つのイーサネット・ポートがあり、それぞれが iSCSI データ転送に使用されます。クラスター内のノードの 1 つはクラスター構成ノードとしても機能します。 この例では、構成ノードのポート 1 がクラスター管理 IP インターフェースを提供します。
図 1. 単一のサブネットを持つ iSCSI 構成
 この図は、単一のサブネットを持つ iSCSI 構成を示しています。
図 2 は、複数のサブネットに接続された 2 ノードの SAN ボリューム・コントローラー・クラスターを示しています。各ノードには、別々の IP サブネットに接続されている 2 つのイーサネット・ポート (ポート 1 とポート 2) があります。さらに、クラスター内のノードの 1 つはクラスター構成ノードとしても機能し、やはり異なるサブネット上でクラスター管理インターフェース用の代替 IP インターフェースを提供します。
図 2. 複数のサブネットを使用し、代替構成インターフェースを提供する iSCSI 構成
 この図は、複数のサブネットを持つ iSCSI 構成を示しています。
図 3 は、図 2 と同じ 2 ノードの SAN ボリューム・コントローラー・クラスターを示しています。 この図は、ホスト・システムでマルチパスと冗長 NIC を使用する利点を図解しています。
図 3. ホスト・マルチパスを使用する iSCSI 構成
 この図は、ホスト・マルチパスを使用した iSCSI 構成を示しています。

この例では、ホスト 1 はマルチパスを使用しません。SAN ボリューム・コントローラー入出力グループの 1 つの VDisk がホスト 2 では 4 つの別々の装置として認識されます。ホストは VDisk への入出力を行うために装置の 1 つを選択します。この装置は SAN ボリューム・コントローラー・ノード・ポートの特定の IP アドレス (10.10.1.10) に対応します。 ホストとこの SAN ボリューム・コントローラー・ポートとの間の接続が断たれると (X でリンクが切れています)、入出力が進行中ならばホスト 1 ではこの VDisk について入出力エラーが記録されます。 SAN ボリューム・コントローラーの状態変更や IP フェイルオーバーは発生しません。

ホスト 2 はマルチパスを使用します。 SAN ボリューム・コントローラー入出力グループの 1 つの VDisk は、ホスト 2 のアプリケーションでは単一の装置として認識されます。ただし、マルチパス・ドライバーは VDisk ごとに 4 つの異なる装置を検出できます。 マルチパス・ドライバーは、入出力実行中にこれらの装置の 1 つ以上を選択します。ホストと 1 つの SAN ボリューム・コントローラー・ノード・ポートとの間の接続が失われると、マルチパス・ドライバーは SAN ボリューム・コントローラー入出力グループへの代替パスを選択できます。 ホストと SAN ボリューム・コントローラーの間の入出力はエラーなしに続行されます。 ただし、ホスト 2 は、NIC が 1 つしかないため、その NIC とネットワークとの接続が失われた場合は、入出力エラー (Y でリンクが切れたというような) を報告します。

ホスト 3 はマルチパスおよび冗長 NIC を使用します。これは、NIC の 1 つに障害が起こった場合でも、マルチパス・ドライバーはホストから SAN ボリューム・コントローラー入出力グループの VDisk の 1 つへのパスを見つけることができるので、アプリケーション入出力はエラーなしに続行できるということを意味します。複数の NIC が別々の IP ネットワークに接続されているため、構成全体では単一のネットワーク障害を許容できるので、ホスト 3 では入出力エラーが起こりません。

入出力グループ内で SAN ボリューム・コントローラー・ノードが除去または交換されても、クラスターの保守を行うためにマルチパス・ドライバーは必要ありません。 ただし、ロード・バランシングのためと、NIC、リンク、またはネットワークの障害を乗り切るためには、マルチパス・ホスト・ドライバーが必要です。

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