FlashCopy® マッピングは、ソース仮想ディスク (VDisk) とターゲット VDisk の間の関係を定義します。
FlashCopy 機能は、開始時に VDisk のインスタント・コピーを作成します。 VDisk のインスタント・コピーを作成するには、まず最初にソース VDisk (コピーされるディスク) とターゲット VDisk (コピーを受け取るディスク) の間のマッピングを作成する必要があります。 ソース VDisk とターゲット VDisk は同じサイズでなければなりません。
マッピングは、クラスター内の任意の 2 つの VDisk 間で作成することができます。 これらの VDisk は、同じ入出力グループまたは管理対象ディスク (MDisk) グループ内にある必要はありません。 FlashCopy 操作が開始されるとき、ソース VDisk のチェックポイントが作成されます。 開始が行われるときに、実際にはデータはコピーされません。 その代わりに、チェックポイントは、 ソース VDisk のどの部分もコピーされていないことを示すビットマップを作成します。 ビットマップ内の各ビットは、ソース VDisk の 1 つの領域を表します。 各領域はグレーン と呼ばれます。
FlashCopy 操作が開始した後、ソース VDisk への読み取り操作は継続して行われます。 新しいデータがソースまたはターゲット VDisk に書き込まれる場合には、 ソース上の既存のデータは、新しいデータがソースまたはターゲット VDisk に書き込まれる前に、ターゲット VDisk にコピーされます。 ビットマップは更新されて、ソース VDisk のグレーンがコピーされたというマークが付けられ、後でそのグレーンに書き込み操作が行われたときにデータを再度コピーしないようにします。
ターゲット VDisk の読み取り操作時に、 グレーンがコピーされたことを判別するためにビットマップが使用されます。 グレーンがコピーされていると、ターゲット VDisk からデータが読み取られます。 グレーンがコピーされていないと、ソース VDisk からデータが読み取られます。
クリーニング速度を使用すると、マッピングが停止中状態にある時間を最小限に抑えることができます。 マッピングが完了しなかった場合、ターゲット VDisk は、マッピングが停止する間オフラインになります。 ターゲット VDisk は、マッピングが再開するまではオフライン状態を続けます。
マッピングを作成する際、コピー速度を指定します。マッピングがコピー中状態の場合は、コピー速度はバックグラウンド・コピー処理に与えられる優先順位を決定します。 マッピングを削除しても、依然ターゲット VDisk からアクセスできるようにするために、ソース VDisk 全体のコピーが必要な場合は、ソース VDisk 上にあるデータすべてをターゲット VDisk にコピーする必要があります。
クリーニング速度およびコピー速度のデフォルト値は、ともに 50 です。
コピー速度がゼロより大きい場合 (または NOCOPY 以外の値の場合) にマッピングが開始されると、未変更のデータがターゲット VDisk にコピーされ、コピーが行われたことを示すためにビットマップが更新されます。 しばらくすると (その長さは、コピー速度によって決定された優先順位と、VDisk のサイズによって異なります)、VDisk 全体がターゲットにコピーされます。 マッピングは idle_or_copied 状態に戻り、そこで、随時マッピングを再開して、ターゲットで新規コピーを作成できます。
マッピングがコピー中状態の間は、コピー速度をゼロにし、クリーニング速度をゼロ以外の値に設定して、マッピングが停止中状態にある時間を最小限に抑えることができます。
マルチターゲット・マッピングを使用する場合、ソース・データがすべてターゲットにコピーされた (進行状況表示が 100% になった) 後でも、マッピングがコピー中状態のままになることがあります。 この状態は、以前に開始されて同じソース・ディスクを使用していたマッピングが、まだ 100% コピー済みになっていない場合に起こります。
コピー速度がゼロ (または NOCOPY) の場合、ソース上で変更されたデータのみがターゲットにコピーされます。 ソースですべてのエクステントが上書きされない限り、ターゲットには、ソース全体のコピーは決して入りません。 ソースの一時コピーが必要なときは、このコピー速度を使用できます。
マッピングは、開始された後、任意の時点で停止することができます。 ターゲット VDisk にソース VDisk の完全なコピーが入っている場合以外は、このアクションはターゲットを不整合にするので、ターゲット VDisk はオフラインになります。 ターゲット VDisk は、マッピングが再開するまではオフライン状態を続けます。
autodelete 属性を設定することもできます。この属性がオンに設定されると、マッピングが idle_or_copied 状態に達し、進行状況が 100% になると、マッピングが自動的に削除されます。
差分によるマッピングで、バックグラウンド・コピーが完了している場合、マッピングが記録するのは、ソース VDisk とターゲット VDisk 間の差分のみです。 マッピングの割り当て先である入出力グループ内の両方のノードへの接続が失われると、ソース VDisk およびターゲット VDisk はオフラインになります。
整合性グループを使用しない場合、SAN ボリューム・コントローラーは、マッピングを独立したエンティティーとして扱うことができるようにします。この場合、マッピングは独立型マッピングと呼ばれます。 このような方法で構成されたマッピングでは、svctask prestartfcconsistgrp コマンド と svctask startfcconsistgrp コマンドの代わりに svctask prestartfcmap コマンド と svctask startfcmap コマンドを使用します。
単一のソース VDisk から最大 256 のターゲット VDisk をコピーできます。ソース VDisk とターゲット VDisk 間の関係はそれぞれ、固有のマッピングによって管理されるので、1 つの VDisk が最大 256 のマッピングでソース VDisk になることができます。
1 つのソースからのマッピングは、それぞれ独立して開始し、終了することができます。 同じソースからの複数のマッピングが (コピー中状態または停止中状態で) アクティブな場合、それらのマッピング間には依存関係が存在します。
例 1
例 2
VDisk A の属するマッピングがターゲット VDisk B の属するマッピングに依存する場合、ターゲット VDisk A はターゲット VDisk B に依存します。 ソース VDisk から最も新しく開始されたマッピングのターゲット VDisk は、ソースからのコピーが完全になるまで (進行状況が 100% になるまで) ソース VDisk に依存します。
差分 FlashCopy マッピングでは、 バックグラウンド・コピー処理は、 最後の FlashCopy 処理以降に変更された、 ソースまたはターゲット VDisk の部分のみをコピーします。この結果、独立 FlashCopy イメージの再作成に要する時間が短縮されます。
カスケード FlashCopy マッピングでは、ターゲット VDisk を他のマッピングのソースにすることができます。
カスケードに存在できるマッピングは、最大 256 です。 カスケード・マッピングと複数のターゲット・マッピングが使用される場合、最大 256 のマッピングのツリーが作成されます。
マッピングは、状態が idle_copied、stopped、または copying の別のアクティブ・マッピングの ソース VDisk であるターゲット VDisk を使用して開始できます。マッピングがコピー中状態の場合は、 svctask startfcmap コマンドおよび svctask prestartfcmap コマンド に restore パラメーターが必要です。 FlashCopy ソース VDisk の内容の復元は、 同じ FlashCopy マッピングまたは 別の FlashCopy マッピングのターゲットを使用して、 マッピングが活動停止になるのを待たずに、また、 その他の FlashCopy ターゲット VDisk の内容を失わずに、行うことができます。
既存の FlashCopy マッピングをミラーリングするマッピングを作成することができます。 この結果作成された対のマッピングはパートナーと呼ばれます。1 つのマッピングは、パートナーを 1 つしか持てません。 例えば、2 つのマッピング (VDisk A から VDisk B へのマッピング 0、 および VDisk B から VDisk A へのマッピング 1) がある VDisk A と VDisk B がある場合、マッピング 0 とマッピング 1 はパートナーです。
差分 FlashCopy マッピングは、 変更の記録の場合のメタデータを共有します。 したがって、ミラーリングされたペア (協力関係) の一方のマッピングが差分である場合、 他方のマッピングは自動的に差分になり、削除されるまで差分のままになります。
SAN ボリューム・コントローラーのバージョン 4.3.x を実行しているクラスターは、 互いにミラーリングする FlashCopy マッピングを持つことができます。 そのようなクラスターが SAN ボリューム・コントローラーのバージョン 5.1.0 に アップグレードした場合、これらのマッピングはパートナーになります。 アップグレード・プロセス中に、差分 FlashCopy マッピングの パートナーになった非差分 FlashCopy マッピングは、差分になります。 ミラーリングされた 2 つの FlashCopy マッピングが アップグレードの前に差分であった場合、アップグレードの結果としてのパートナーは差分になり、使用されるメタデータの量は少なくなります。 ペアに必要な差分ビットマップは 1 つだけです。
FlashCopy ターゲット VDisk の 場合、SAN ボリューム・コントローラー は、 ターゲット VDisk がソース VDisk の正確なイメージであるというマッピング状態を示すビットを、照会データ内で設定します。このビットを設定すると、Veritas Volume Manager は、 ソースとターゲットの VDisk を区別できるようになり、 その両方へ独立したアクセスができるようになります。