各ノード・ペアは、入出力 (I/O) グループと呼ばれます。 入出力グループは、クラスター構成プロセス中に定義されます。
各ノードは、1 つの入出力グループにだけ存在することができます。 入出力グループは SAN に接続されているため、すべての入出力グループが、すべてのバックエンド・ストレージとすべてのアプリケーション・サーバーを認識できます。 各ノード・ペアは、特定の仮想ディスク (VDisks) のセットの 入出力操作を受け持ちます。
VDisk は、SAN ボリューム・コントローラー・ノードによって SAN に提示される論理ディスクです。VDisk はまた入出力グループに関連付けられます。 ノードには内部バッテリー・バックアップ装置が含まれていないため、クラスター全体の電源障害が発生した場合にデータ保全性を提供できるように無停電電源装置に接続する必要があります。 無停電電源装置が電源を供給するのは、SAN ボリューム・コントローラー・クラスターがシャットダウンし、キャッシュ・データを保管するのに十分な時間だけです。 無停電電源装置は、障害時に電源を維持して、ノードを連続稼働させるためのものではありません。
アプリケーション・サーバーは、VDisk に対する入出力実行時に、入出力グループのどちらのノードを使用しても VDisk にアクセスできます。VDisk を作成するときに、優先ノードを指定できます。 SAN ボリューム・コントローラーがサポートしているマルチパス・ドライバー実装の多くは、 この情報を使用して入出力を優先ノードに向けます。入出力グループ 内のその他のノードは、 優先ノードがアクセス不可の場合にのみ使用されます。
VDisk の優先ノードを指定しない場合、SAN ボリューム・コントローラーに よって VDisk の数が最も少ない入出力グループのノードが選択されて優先ノードになります。
優先ノードが選択されると、 この変更は、VDisk が別の入出力グループに移動されるときにのみ行えます。
優先ノードの現在の割り当てを表示するには、 svcinfo lsvdisk コマンドを実行します。
入出力グループは 2 つのノードで構成されます。 VDisk に対して書き込み操作が実行されると、入出力を処理するノードは、 入出力グループにあるパートナー・ノードにデータを複写します。 パートナー・ノード上でデータが保護されると、ホスト・アプリケーションに対する書き込み操作が完了します。 ディスクへのデータの物理的な書き込みは、後で行われます。
読み取り入出力は、入出力を受け取るノードの中のキャッシュを参照することによって処理されます。 データがない場合は、ディスクから読み取られてキャッシュに入れられます。特定の VDisk について入出力を実行するために同じノードが選択された場合は、 キャッシュからの読み取りのほうが良いパフォーマンスが得られます。
特定の VDisk の入出力トラフィックは、常に、単一の入出力グループのノードによって排他的に管理されます。そのため、クラスターに 8 つのノードが含まれている場合でも、ノードは独立したペアで入出力を管理します。つまり、入出力グループを追加することによってさらなるスループットが得られるため、SAN ボリューム・コントローラーの入出力機能はスケーラビリティーに優れています。
図 1 に、VDisk A をターゲットとするホストからの書き込み操作 を示します (1)。この書き込みのターゲットは 優先ノードであるノード 1 (2) です。 書き込みはキャッシュに入れられ、パートナー・ノードであるノード 2 のキャッシュにデータのコピーが作成されます (3)。 ホストは、この書き込みを完了と見なします。 しばらく後で、データはストレージに書き込まれるか、またはデステージされます (4)。図 1 は、各ノードが異なる電源ドメインに属するように正しく構成された 2 つの無停電電源装置装置も示しています。
入出力グループの 1 つのノードで障害が発生すると、 その入出力グループの他のノードが、障害のあるノードの入出力の役割を引き継ぎます。 ノード障害中のデータ損失は、入出力グループの 2 つのノード間で入出力読み取りおよび書き込みデータ・キャッシュをミラーリングすることによって防ぎます。
1 つの入出力グループにノードが 1 つだけ割り当てられている場合、または入出力グループの 1 つのノードで障害が発生した場合、キャッシュは、ディスクにフラッシュされてライトスルー・モードになります。そのため、この入出力グループに割り当てられている VDisk の書き込みはキャッシュに入れられずに、ストレージ・デバイスに直接送られます。入出力グループの 2 つのノードが両方ともオフラインになった場合、その入出力グループに割り当てられている VDisk にはアクセスできません。
VDisk の作成時に、その VDisk へのアクセスを提供する入出力グループを指定する必要があります。ただし、VDisk を作成して、オフライン・ノードが入っている入出力グループ に追加することができます。 入出力グループにあるノードの中で少なくとも 1 つがオンラインになるまで、入出力アクセスはできません。
クラスターは仮想リカバリー入出力グループも提供し、いくつかの保守アクションに使用できます。 VDisk をリカバリー入出力グループに移してから、 作業入出力グループに移すことができます。 VDisk がリカバリー入出力グループに割り当てられている場合、入出力アクセスはできません。