SAN ボリューム・コントローラー・ソリューションは、一連の仮想化概念を基にしています。SAN ボリューム・コントローラー環境をセットアップする前に、その環境で使用される概念とオブジェクトについて理解しておく必要があります。
それぞれの SAN ボリューム・コントローラーは、ノード と呼ばれる単一の処理装置です。 ノードは、クラスターを構成するために対になって配置されます。 クラスターは、1 つから 4 つのノードの対から構成することができます。 ノードの各対は、入出力グループ と呼ばれます。各ノードは、1 つの入出力グループにしか所属できません。
仮想ディスク (VDisk) は、クラスターによって提示される論理ディスクです。 各 VDisk は、特定の入出力グループに関連付けられます。 入出力グループ内のノードを使用して、入出力グループ内の VDisk にアクセスします。 アプリケーション・サーバーは、VDisk に対する入出力実行時に、入出力グループのどちらのノードを使用しても VDisk にアクセスできます。各入出力グループはノードを 2 つしか持てないので、分散キャッシュは 2Way のみです。
各ノードには、内部バッテリー・バックアップ装置が入っていないので、クラスター全体の電源障害が発生した場合にデータ保全性を提供できるように 無停電電源装置 に接続する必要があります。そのような状況のもとでは、無停電電源装置 は、分散キャッシュの内容が内部ドライブにダンプされている間、 ノードへの電源を維持します。
クラスター内のノードは、バックエンド・ディスク・コントローラー によって提示されるストレージを、管理対象ディスク (MDisk) と呼ばれる多数のディスクとして認識します。
MDisk は、MDisk の始まりから終わりまで、0 から順次に番号が付けられている、 いくつかのエクステント に分割されています。MDisk は、MDisk グループと呼ばれるグループに集約されます。
各 VDisk は、1 つまたは 2 つの Vdisk コピーで構成されています。各 Vdisk コピーは、VDisk に格納されている データの独立した物理的コピーです。2 つのコピーを持つ VDisk は、ミラーリングされた VDisk として知られています。VDisk コピーは MDisk エクステント で構成されています。特定の VDisk コピーを構成するすべての MDisk は、同一の MDisk グループに属する必要があります。
VDisk はスペース使用効率をよくすることができます。 この意味は、ホスト・システムから見た VDisk 容量 (仮想容量と呼ばれる) は、MDisk から VDisk に割り振られるストレージの量 (実容量と呼ばれる) とは異なる場合があることを示します。スペース使用効率のよい VDisk は、新規のエクステントの割り振りにより実容量を自動 拡張するように構成できます。
任意の一時点では、クラスターにある 1 つのノードだけが、構成アクティビティーを管理できます。 このノードは構成ノード と呼ばれ、クラスター構成を記述する情報のキャッシュを管理し、構成用のフォーカル・ポイントを提供します。
SCSI over Fibre-Channel 接続の場合、ノードは SAN に接続されたファイバー・チャネル・ポートを検出します。 それらのポートは、アプリケーション・サーバー内に存在するファイバー・チャネル・ホスト・バス・アダプター (HBA) のワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) に対応します。単一のアプリケーション・サーバーまたは一連のアプリケーション・サーバーに属している WWPN をグループ化した論理ホスト・オブジェクトを作成できます。
iSCSI over Ethernet 接続の場合、iSCSI 修飾名 (IQN) は iSCSI ターゲット (宛先) アダプターを識別します。ホスト・オブジェクトは IQN と WWPN の両方を持つことができます。
SAN ボリューム・コントローラー・ホストは、物理ホスト・システムおよびクラスター VDisk へのアクセス権限のあるアプリケーション・サーバーの仮想表現です。 SAN ボリューム・コントローラーの各ホスト定義では、接続方式 (SCSI over Fibre-Channel または iSCSI over Ethernet)、ファイバー・チャネル・ポートまたはイーサネット IP アドレス、およびホスト・アプリケーションがアクセスできる VDisk を指定します。
クラスターは、SAN 内のディスク・ストレージをブロック・レベルで集約し、それらのボリューム管理を行います。 クラスターは多くのバックエンド・ストレージ・コントローラーを管理し、これらのコントローラー内にある物理ストレージを、SAN 内の アプリケーション・サーバーとワークステーションが見ることのできる論理ディスク・イメージにマッピングします。SAN は、アプリケーション・サーバーからバックエンド物理ストレージが認識されないように構成されます。これにより、クラスターとアプリケーション・サーバーの両方がバックエンド・ストレージを管理しようとした場合に起こり得るあらゆる競合が避けられます。