MAP 5350: SAN ボリューム・コントローラー・ノードの電源オフ

MAP 5350: SAN ボリューム・コントローラー・ノードの電源オフは、単一 SAN ボリューム・コントローラー・ノードの電源オフを行って、ディスクへのホスト・アクセスを中断せずに保守アクションを実施できるようになります。

始める前に

単一ノードの電源をオフにしても、通常は、SAN ボリューム・コントローラー・クラスターの稼働を中断しません。 この理由は、SAN ボリューム・コントローラー・クラスター内では入出力グループと呼ばれるペア状態でノードが稼働するからです。 ある入出力グループは、単一ノードのみが電源オンされた状態で、そのグループが管理するディスクへの入出力を継続的に処理します。ただし、パフォーマンスの劣化およびエラーに対する回復力の低下が発生します。

注意が必要なのは、あるノードを電源オフする場合は、クラスター全体としては電源オフの影響を受けずに、必要としていることは必ず維持されるようにすることです。ここで概説した手順が順守されない場合、アプリケーション・ホストはそのデータにアクセスできなくなる可能性、最悪の場合は、データが失われてしまう可能性があります。

以下の優先方式を使用して、クラスターのメンバーであり、かつオフラインでないノードを電源オフすることができます。
  1. SAN ボリューム・コントローラー・コンソール上で、「ノードのシャットダウン (Shut Down a Node)」オプションを使用します。
  2. CLI コマンド svctask stopcluster -node name を使用します。

SAN ボリューム・コントローラー・コンソールまたはコマンド行インターフェース (CLI) のいずれかを使用してノードを電源オフすることをお勧めします。その理由は、この 2 つの方式を使用すれば、パートナー・ノードへの制御された引き継ぎを行うことが可能であり、このシステム内での他の障害に対してより優れた回復力を実現できるからです。

ノードがオフライン状態の場合、またはクラスターのメンバーでない場合、電源ボタンを使用した電源オフが必要となります。

このタスクについて

あるノードの電源オフ時に中断を最小限に抑えるには、以下の内容をすべて適用する必要があります。
  • 入出力グループ内の他ノードは電源オン状態になっている必要があり、そのクラスター内でアクティブ状態になっている必要があります。
  • 入出力グループの他ノードは、全ホストへの SAN ファイバー・チャネル接続、およびこの入出力グループが管理対象とするディスク・コントローラーを保有している必要があります。
  • この入出力グループが処理するすべての仮想ディスクはオンライン状態にする必要があります。
  • マルチパス処理を行うホストは、この入出力グループ内の他ノードに対してオンライン状態です。

一部の環境では、ノードを電源オフする理由によっては、これらの条件を満足させることが不可能となる可能性があります。例えば、障害のあるファイバー・チャネル・カードを交換しようとする場合、仮想ディスクはオンライン状況として表示されません。条件を満足していなかった場合に、いつ先にこの作業を進めることが安全かを決定するための判断は、お客様が行う必要があります。必ず、システム管理者に相談してから、入出力アクセスが中断されると分かっている電源オフ作業を進めてください。その理由は、もっと適切な時刻まで中断するのを待つか、またはホスト・アプリケーションを使用停止にするかについて、いずれか一方が好ましいとシステム管理者が考える可能性があるためです。

円滑な再始動を確実に行うには、ノードは、そのローカルの内部的なディスク・ドライブに対して再作成不能なデータ構造を保存する必要があります。ローカル・ディスクに保存するデータ量は多くなりますので、この操作には数分の時間を要します。制御された電源オフを中断させないでください。

重要: 以下のアクションを行うと、ノードはそのローカル・ディスクにデータを保存できなくなります。このため、以下の方法を使用して絶対にノードを電源オフしないでください。
  • ノードと無停電電源装置の間の電源ケーブルを取り外すこと。 通常、無停電電源装置は電源障害時にローカル・ディスクへの書き込みを可能にするだけの十分な電源を供給しますが、このケースでは電源を供給不能になることは明白です。
  • ノードの電源ボタンを押したままの状態にすること。この電源ボタンを押して放せば、SAN ボリューム・コントローラーはこの動きをソフトウェアに示して、このノードではデータを電源オフ前にローカル・ディスクに書き込むことができます。電源ボタンを押したままにすると、SAN ボリューム・コントローラー・ハードウェアはこの操作を緊急電源オフと解釈して即時シャットダウンします。この場合、お客様がローカル・ディスクにデータを保存する機会はありません。この緊急電源オフは、電源ボタンを押し続けて約 4 秒経過すると起こります。
  • ライト・パス診断パネル上のリセット・ボタンを押すこと。

次のタスク

以下のトピックにはノードを電源オフするための方法が記載されています。

SAN ボリューム・コントローラー・コンソールを使用してノードの電源をオフにする方法

このトピックには、SAN ボリューム・コントローラー・コンソールを使用してノードの電源をオフにする方法を記載してあります。

始める前に

以下の手順を行って、ノード電源オフのために SAN ボリューム・コントローラー・コンソールを使用します。

手順

  1. 管理者として IBM® System Storage® Productivity Center またはマスター・コンソールにサインオンしてから、保守するクラスターの SAN ボリューム・コントローラー・コンソールを立ち上げます。
  2. 「私の作業 (My Work)」ペインで、「ノードの作業」 > 「ノード」の順にクリックします。「ノードの表示」パネルが表示されます。
  3. シャットダウンしようとするノードを見つけます。

    電源オフ対象のノードが「オフライン」として表示される場合、そのノードはこのクラスターに関係していません。これらの環境では、ノード上の電源ボタンを使用して、ノードの電源をオフにする必要があります。

    電源オフ対象のノードが「オンライン」として表示される場合、そのノードの電源をオフにすると、従属する VDisk もオフラインになる可能性があります。ノードに従属 VDisk があるかどうかを確認してください。

  4. ノードを選択し、ドロップダウン・メニューから「従属 VDisk の表示」をクリックします。
  5. 入出力グループ内の各仮想ディスクの状況が「オンライン」であることを確認します。2 ページ以上を表示することが必要な場合があります。
    この図は、「仮想ディスクの状況」パネルの例を示します

    どの VDisk も劣化状態として表示される場合は、入出力内の 1 つだけのノードがその VDisk に対する入出力要求を処理しています。そのノードが電源オフされると、この劣化状態の VDisk に入出力要求をサブミットしている全ホストがそれによって影響を受けます。

    どの仮想ディスクも劣化状態であり、かつ、その原因の可能性として、入出力グループ内のパートナー・ノードが最近電源オフされたことが確実である場合、画面がリフレッシュされて全仮想ディスクがオンライン表示されるまで待ちます。電源オフされているパートナー・ノードの全仮想ディスクは、30 分以内にはオンラインになるものと考えられます。

    注: 30 分待った後、劣化した VDisk があり、関連のノードおよび MDisk がすべてオンラインの場合は、IBM サポートに連絡して支援を受けてください。

    作業を続行する前に、ホストが使用している VDisk がすべてオンラインであることを確認します。

  6. 可能な場合、この入出力グループによって管理される VDisk にアクセスするすべてのホストが、フェイルオーバーにより、グループ内の他のノードによって提供されるパスを使用できることを確認します。

    この検査は、ホスト・システムのマルチパス・デバイス・ドライバー・ソフトウェアを使用して行います。使用するコマンドは、使用されているマルチパス・デバイス・ドライバーによって異なります。System Storage マルチパス・サブシステム・デバイス・ドライバー (SDD) を使用している場合、パスを照会するコマンドは datapath query device です。ノードの電源オン後にマルチパス・デバイス・ドライバーがパスを再発見するには、しばらく時間がかかることがあります。入出力グループ内の両方のノードへのすべてのパスが使用可能であることをホスト上で確認できない場合、パートナー・ノードが電源オンしてから 30 分以内にノードを電源オフしないでください。そうしないと VDisk へのアクセスを失うおそれがあります。

  7. 続行しても問題ないと判断してノードの電源オフを実行する場合は、電源をオフにするノードを選択してから、ドロップダウン・メニューから 「ノードのシャットダウン」を選択します。
    図 1. 「ノードのシャットダウン」オプション「ノードのシャットダウン」オプション
  8. 「OK」をクリックする。VDisk にアクセスできるようにする最後に残っているノードであるノード、例えば、ミラーリングが解除された VDisk を伴うソリッド・ステート・ドライブ (SSD) を含むノードを選択した場合、「ノードのシャットダウン - 強制」パネルが表示され、このノードがシャットダウンされるとオフラインになる VDisk のリストを示します。
  9. オフラインになる VDisk にアクセスするホスト・アプリケーションがないことを確認します。これらの VDisk へのアクセスが失われることが許容できる場合のみ、シャットダウンを続行してください。 ノードのシャットダウンを続行するには、「強制シャットダウン」をクリックします。

次のタスク

シャットダウン時にこのノードはそのデータ構造を自分のローカル・ディスクに保存し、キャッシュ内に保持していたすべての書き込みデータを SAN ディスクにデステージします。このデステージ処理には数分を要する可能性があります。

この処理の最後にノードが電源オフされます。

SAN ボリューム・コントローラー CLI を使用してノードの電源をオフにする方法

このトピックには、SAN ボリューム・コントローラー CLI を使用してノードの電源をオフにする方法を記載してあります。

手順

  1. svcinfo lsnode CLI コマンドを発行して、クラスターと各ノード・プロパティー内のノード一覧を表示します。 シャットダウンしようとするノードを探して、そのノードが所属する入出力グループ名を書き留めます。その入出力グループ内の他ノードが「オンライン」であることを確認します。
    svcinfo lsnode -delim : 
    
    id:name:UPS_serial_number:WWNN:status:IO_group_id: IO_group_name:config_node:
    UPS_unique_id 
    1:group1node1:10L3ASH:500507680100002C:online:0:io_grp0:yes:202378101C0D18D8 
    2:group1node2:10L3ANF:5005076801000009:online:0:io_grp0:no:202378101C0D1796 
    3:group2node1:10L3ASH:5005076801000001:online:1:io_grp1:no:202378101C0D18D8 
    4:group2node2:10L3ANF:50050768010000F4:online:1:io_grp1:no:202378101C0D1796

    電源オフ対象のノードが「オフライン」として表示される場合は、そのノードはこのクラスターに関係しておらず、入出力要求を処理していません。これらの環境では、ノード上の電源ボタンを使用して、ノードの電源をオフにする必要があります。

    電源オフの対象ノードが「オンライン」として表示されているが、その入出力グループ内の他ノードがオンラインでない場合は、このノードを電源オフにすると、入出力グループが管理対象とする VDisk に入出力要求をサブミットしている全ホストが影響を受けます。作業を続ける前に、入出力グループの他のノードがオンラインであることを確認してください。

  2. svcinfo lsnodedependentvdisks CLI コマンドを発行して、指定ノードの状況に依存する VDisk をリストします。
    svcinfo lsnodedependentvdisks group1node1
    
    vdisk_id       vdisk_name
    0              vdisk0
    1              vdisk1

    ノードがオフラインになるか、クラスターから除去されると、従属 VDisk もオフラインになります。ノードをオフラインにしたり、クラスターから除去する前に、VDisk へのアクセスが失われないようにするためのコマンドを使用できます。

  3. 続行しても問題ないと判断してノードの電源オフを実行する場合は、svctask stopcluster -node <name> CLI コマンドを発行してノードの電源をオフにします。必ず、以下のように -node パラメーターを指定してください。その理由は、クラスター全体を電源オフしたくないからです。
    svctask stopcluster –node group1node1
    Are you sure that you want to continue with the shut down?
    (シャットダウンを続けますか?)あり
    注: 従属 VDisk があり、ノードをシャットダウンしたい場合は、svctask stopcluster コマンドに -force パラメーターを追加してください。force パラメーターは、どのノード依存 VDisk がオフラインになっても、コマンドの続行を強制します。 force パラメーターの使用には注意が必要です。ノード依存 VDisk 上のデータへのアクセスが失われるからです。

    シャットダウン時にこのノードはそのデータ構造を自分のローカル・ディスクに保存し、キャッシュ内に保持していたすべての書き込みデータを SAN ディスクにデステージします。このデステージ処理には数分を要する可能性があります。

    この処理の最後にノードが電源オフされます。

SAN ボリューム・コントローラーの電源制御ボタンの使用

緊急時、または別の手順で指図された場合を除き、ノードの電源をオフにするのに電源制御ボタンを使用しないでください。

始める前に

この方法で電源オフすると、フロント・パネルでクラスター状況をチェックできません。このため、この電源オフによって、クラスターに対する処理中断が必要以上に発生しやすくなっているかどうかを見分けられません。この方法の代わりに、SAN ボリューム・コントローラー・コンソールまたは CLI コマンド (前記のトピックに記述) を使用して、アクティブ・ノードを電源オフします。

このタスクについて

この方式を使用する必要がある場合は、図 2 に示すように、SAN ボリューム・コントローラーの各モデル・タイプの前面に電源制御ボタン 番号 1 があることに注意してください。

図 2. SAN ボリューム・コントローラー・モデル 2145-CF8、2145-8A4、2145-8G4、および 2145-8F4 または 2145-8F2の電源制御ボタン および SAN ボリューム・コントローラー 2145-4F2 の電源スイッチ
SAN Volume ボリューム・コントローラー・モデル 2145-CF8、2145-8A4、2145-8G4、2145-8F4、および 2145-8F2 の電源制御ボタンおよび SAN ボリューム・コントローラー 2145-4F2 の電源スイッチ

電源ボタンを使用して電源オフしても安全であると考えた場合は、電源ボタンを押してすぐに放します。フロント・パネル・ディスプレイが変わって、「電源オフ中 (Powering Off)」が表示され、進行状況表示バーが表示されます。

2145-CF8 では、電源ボタン・カバーを取り外してからでないと、電源ボタンを押すことができません。2145-8A42145-8G42145-8F4、または 2145-8F2 では、電源ボタンを押すために、先の尖った道具の使用が必要な場合があります。

あまり長い間電源ボタンを押したままにすると、そのノードでは、必ずしもすべてのデータを自分のローカル・ディスクに書き込むことができません。この場合、このノードを再始動するのに、通常よりも実施項目が多いサービス手順が必要となります。すなわち、この手順にはクラスターからのノードの削除、および削除されたノードをクラスターに追加して戻す作業が含まれます。

この図は、フロント・パネルに電源オフが表示される様子を示します

タスクの結果

このノードでは、電源オフ時に自分のデータ構造をディスクに保存します。電源オフには、5 分を要する可能性があります。

電源ボタンを使用して (または電源障害が原因で) ノードが電源オフされた場合、その入出力グループ内のパートナー・ノードは、新規の書き込みデータに対してそのキャッシュの使用を即時中止して、キャッシュ内に既に書き込まれたデータすべてを SAN 接続ディスクにデステージします。このデステージに要する時間はディスク・コントローラーの速度と使用状況により異なります。このデステージは 15 分未満で完了するものと考えられますが、もっと長くかかる可能性もあり、オフライン状態のディスクへの書き込み待ちになっているデータがある場合は、デステージが完了できません。

あるノードのパートナー・ノードが入出力処理を続行している最中に、そのノードの電源オフと再始動を行うと、そのノードは入出力グループのアクティブ・メンバーに即時になることができない可能性があります。このノードは、パートナー・ノードがキャッシュのデステージを完了するまで待つ必要があります。この期間中にパートナー・ノードが電源オフされると、この入出力グループが管理対象とする SAN ストレージへのアクセスができなくなります。例えば、入出力グループ内のパートナー・ノードが引き続き書き込みキャッシュをフラッシュしているため、入出力グループ内のいずれかのノードが入出力を処理できない場合、その入出力グループによって管理される VDisk の状況は「劣化 (Degraded)」です。

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